育児・家族

モンテッソーリ教育とは?家庭で始めるためのポイント

好きなことに集中する男の子

「モンテッソーリ教育」という言葉を、耳にしたことはありませんか?

将棋界での活躍がめざましい藤井聡太さんが、モンテッソーリ教育を受けていたということで、一時話題にもなりました。

この記事では、「モンテッソーリ教育とは何か?」「家庭でも取り入れることが可能なのか?」をお伝えしていきます。

モンテッソーリ教育とは?

約100年前にイタリアの女医、マリア・モンテッソーリが、0〜6歳の発達段階に関わることで考案した教育です。

子供たちがそれぞれ必要な時に、必要なことに取り組んでいる姿勢を大切にしよう、というシンプルな教えです。

子供は、色々なことを「自分でできるようになりたい」と思っています。

その気持ちに寄り添い、子供が「やりたい」と思うことを行動に移せるように、環境を整えてあげることが、親の役割です。

子供たちの行動の中には、親から見ると「何の意味があるのかしら?」と感じるものもあると思います。

そのような行動も、子供たちにとってとても大切な「成長の過程」だということです。

「自分でできることを増やしていきたい」と思っている子供を見守り、必要であればアシストしてあげることが、モンテッソーリ教育につながります。

忙しい現代では時間に追われ、なかなか余裕を持てないママも多いと思います。

子供のペースに合わせることが難しい場合もあるでしょう。

そんな時には少し深呼吸して「今日は子供にとことん付き合ってあげよう!」と切り替えるといいかもしれません。

月齢別子育ての心構え

①生後6ヶ月〜3歳の場合

「強いこだわり」が出てくる

「強いこだわり」が目立つ時期です。イヤイヤ期ともいわれています。

このぐらいの年齢のお子さんは、いつもと違うことがあると敏感に反応してしまい、混乱してイヤイヤと駄々をこねているように見えることがあります。

それは、秩序が保たれた安心する環境から離れてしまうという、不安な気持ちの表れのようです。

例えば、いつもと同じ場所に同じものが置いてないというだけでも泣き出す、ということもある位、秩序にこだわる年齢です。

駄々をこねるにも子供なりの理由があります。子供のこだわりのポイントを、よく観察してみましょう。

何でも自分でやりたがる

「自分でやりたい!」という自立の一歩も、この時期の特徴です。

親が手伝ってあげないとほとんどのことができなかった赤ちゃんが、自分でできることはしたいと主張しはじめます。

そのような時には、手や口を出さずにまずはさせてあげるといいでしょう。子供が成長するよい機会です。

大人と子供の違いを意識する

大人はついつい「ゴール」に向かって突き進む傾向がありますが、子供にとってはあくまでもゴールは二の次で「プロセス」に意味があります。

実際に散歩をしていても、大人は目的地であるゴールを目指しますが、子供にとっては歩いている散歩の「過程」を楽しんでいるのです。

落ち葉を拾ったり、面白い形の石を見つけたり、そういう発見が子供の好奇心をぐんぐん育てます。

寄り道こそ散歩の醍醐味だと意識してみると、お子さんとの散歩もより楽しむことができるでしょう。

②3〜6歳の場合

感覚や運動が研ぎ澄まされる年齢

3歳までの間に色んなことを吸収してきて、それをより洗練させる時期がこの年齢です。

自分の思い通りに体を使って達成感を得たいと、自主的に動くことができるようになります。

親は干渉しすぎず、やりたいという気持ちをとことん応援してあげましょう!

失敗した時にこそ成長のチャンス

体を使って何かができるようになることが楽しくて仕方ない時期なので、たくさんのお手伝いをしたいと申し出てくれる年齢でもあります。

そういう時には手伝ってもらい、役割を任せてみましょう。

例えば、家族のコップに水を注いでもらうお手伝いをお願いしたとします。途中でこぼしてしまっても、後始末を教えるチャンスになります。

手順を教え、どうすればいいのかを伝えることで、対処方法を身に付けることもできますね。

言葉で伝えるより、行動を見せる

子供は、親の言葉を聞いているのではなく、行動を見て真似するというのは本当です。

実際、お子さんの行動に我が身を振り返るママも、多いのではないでしょうか?

我が家でも、私の行動そのものを、息子たちが鏡となって伝えてくれます。

一度見たものもすぐに吸収できる年齢なので、よい方向に活かせるように私たち親も行動には気をつけたいですね。

例えば、子供が洋服の畳み方を教えて欲しいというのであれば、口で伝えるよりも行動でゆっくり畳み方を示してあげる方がいいですよ。

日常生活で大切にしたいモンテッソーリ教育のヒント

子供が自分でできるようになる工夫を

親が手出しをしなくても、自らできるようになるコツは「環境を整える」ことです。

衣服であれば、頭が出しやすい首回りのゆったりしたTシャツを用意してあげることで、着脱しやすくなります。

洗面所は、手洗いしやすいような高さの台を用意したり、手を拭きやすいようにタオルの位置を調整したりするとよいでしょう。

トイレも踏み台などを用意すると、自ずと「できた!」という体験を積み重ねることができます。

靴の場合は、履く時に左右間違えないように、中敷に絵を描くこともおすすめです。

子供は、左右が逆だったために注意されるのを「自分で頑張って履いたのに 」と、嫌がることもあります。

ちなみに我が家では、左右を合わせると車の絵柄になるように絵を描きました。

子供が自ら「自然に正確にできるような環境作り」をしてあげましょう。

子供に合った道具を用意しましょう

お手伝いをしたいと言い出す事柄に「キッチン仕事」があります。

キッチンでの仕事は、さまざまなチャンスがあります。

キッチンには、刃物があったり火を使ったりと、心配になる部分もあるかと思います。

しかし、子供に合った道具をしっかり揃えれば、見守りながら一緒にキッチン仕事ができるようになります。

大人が使う包丁やまな板では、サイズが大きくバランスも取りにくいため、子供用を用意します。正しい使い方も、やって見せましょう。

大人が思っているよりも安全に使用することができますよ。

最初は、バナナなどのやわらかい食材から切りはじめるのが、オススメです。

お手伝いしたいと申し出てくれるときが、絶好のタイミングです。 まだ幼いからといって、チャンスを奪わないようにできたらいいですね。

最初は、あらかじめカットした野菜をサラダに盛り付けてもらったり、納豆を混ぜてもらうなど、簡単なお仕事からでも子供のやる気を育てることができます。

ぜひ、お手伝いしてもらえることはさせてあげましょう!

自主性を育ててあげよう!

子供は、生まれてから親が思っている以上に、早いスピードで成長していきます。

「助けてあげる」から「大丈夫、できるよ!」という見守り方に、切り替える時期が大切です。

我が家での出来事ですが、2歳の次男の上着を私が脱がせようとした時に「ママ、待って!〇〇(2歳次男の名前)は自分でできるから!」と、4歳の長男に言われました。

ハッとして「そうだね。自分でできるね。」と見守っていたら、2歳の次男は自分でファスナーを開き、上着を脱いで得意げに見せてくれました。

日々、成長しているのだと4歳の長男の言葉に気付かされました。

無理にさせる必要は何もありません。

親がしていることをみて「やりたい!」と言った時に、させてあげられる環境を用意することが、一番好ましいです。

自分でやりたいと思っている我が子を見守ることで「できた」を重ね、自信をつけて羽ばたいてくれる幼少期を、親子でぜひ過ごしてもらいたいと思います。

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