0歳〜1歳から子供を預ける場合、保育所からのスタートが一般的です。成長過程において、そのまま保育所に通わせるのがいいのか、それとも幼稚園に転園するのがいいのか、選択肢を考える岐路に立たされる時期がやってきます。
まずは保育所と幼稚園の違いを知った上で、親子にとって最適な幼稚園選びとは何かを考えていきましょう。
目次
保育所と幼稚園の違い
保育所とは
厚生労働省によると「保育所」とは、保護者の保育に欠ける乳児または幼児の保育を目的とする施設とあります。そのため、基本的に「保育」することが目的とされていることが分かります。
対象年齢は、一般的に0歳児(生後57日〜)から小学校に上がる前の5歳児までとなります。保育所によって受け入れ可能な年齢が異なりますので、希望の保育所は何歳から受け入れているのかをしっかり調べましょう。
幼稚園とは
文部科学省によると「幼稚園教育について」幼児を保育し、適当な環境を与え、その心身の発達を助長する場所、と示しています。教育時間1日4時間を標準とし、「教育」の場所でもあるということが分かります。
対象年齢は、公立私立ともに満3歳から入園でき、小学校に入るまでの3年保育が基本です。満4歳〜2年保育という場合もありますので、通う予定の幼稚園の状況を把握しておくといいですね。
公立と私立の違いやそれぞれの特徴とは
公立幼稚園の特徴
公立の幼稚園とは、自治体(市町村)が運営している施設のことを指します。小学校に隣接して設置している場合も多く、校区も定まっていて徒歩圏内にあるため、通いやすいのが特徴です。
幼児教育・保育無償化が2019年10月から始まり、これまで幼稚園通学に設けられていた、世帯年収の金額での制約が実質無くなりました。よって、全世帯が幼稚園無償化の対象となり、ほとんどの場合が無償で教育を受けられるということになります。
子供が平等に教育を受けられる点については、親にとってはとてもありがたい制度ですね。基本的に校区内に住んでいる幼児は入園できますが、定員オーバーの際には抽選になる園もあるようです。
公立幼稚園の教育内容としては、「のびのび」とした遊び中心となっていますので、子供らしく楽しんで、遊びから学んで欲しいと思っているご家庭におすすめです。行事は普段の遊びの延長を感じられるお遊戯会など、アットホームな印象のものが多いです。
また、卒園後も隣接された小学校や校区内の小学校に通うことが多いので、顔なじみのお友達と一緒に同じ学校に入学できることも特徴の1つです。
- 校区内で徒歩圏内にあり通いやすい
- 幼児教育・保育無償化により、年収に関係なく無償で教育を受けられる
- のびのび教育で遊びながら成長できる
- アットホームな環境
- お友達と同じ小学校に入学できる
私立幼稚園の特徴
私立幼稚園は、学校法人や宗教法人が運営している幼児教育施設です。公立幼稚園に比べて、広範囲の地域から園児が通っていることも特徴です。そのため、園バスでの登園か、自主登園のどちらかを選べることが多いです。
私立幼稚園も幼児教育・保育無償化の対象となりますので、保育料が基本的にかからなくなります。ただし、公立とは違い、幼稚園独自の教育方針などで設置者が保育料を決めるため、公立よりも費用がかかります。
教育方針が学校によって特徴が異なるので、「のびのび」させる方針の園もあれば、「しっかり勉強する」方針の園もあります。「○○式」と言った勉強や教育法を取り入れている園や、モンテッソーリ教育を取り入れているなど、本当に様々です。
勉強や教育に力を入れている園では、午前の教育時間の後に独自に取り入れている体操やスイミングなどを、幼稚園で習い事として受けさせることができます。せっかく素晴らしい指導者が施設にいるのであれば、子供と相談の上、その環境を活かしていきたいですね。
行事も、公立の幼稚園に比べると多い傾向にあるようです。運動会や発表会などを公共施設で開催する園もあり、本格的です。子供の成長をたくさんの場面で直接感じたい!というご両親にはおすすめです。
卒園後は、それぞれの校区にある小学校や、受験をして希望の小学校に入学する子供が多いため、同じ学校に通うお友達は数人になる可能性があります。しかし、小学校からの新たなお友達が増え、他校にもお友達がいるという出会いの多さは、私立幼稚園ならではだと思います。
- 広範囲の地域からの園児が多いため、園バスや自由な登園方法で楽しみながら通園
- 費用はかかるものの、特色のある教育方針を受けられる
- 学校で習い事までカバーできる
- 子供のイベントをより多く楽しめる
- 様々な地域に友達ができる
何を基準に考えるべき?選ぶポイントは3つ!
①子供の安心を最優先に考える
まず忘れてはいけないのが、その園が「子供にとって安心できる環境なのかどうか」ということです。実際に幼稚園に通うのはお子さんです。そのお子さんが通ってみたときのことをイメージしてみましょう。
想像してみてください。その幼稚園に通ったら、お子さんはどんな風に過ごしているでしょうか。子供の性格なども考えて、お子さんにとって適した園かどうかということは、何となく親御さんなら判断できるかと思います。この判断を最優先に、幼稚園選びをすることをおすすめします。
我が家の子供の場合は、人見知りの強い性格のため安心感を得て欲しいと思い、仲良くしている1つ年上の甥が通っている幼稚園を、第一希望で検討しました。
②家庭の教育方針と合うか
子供が安心できる環境かどうかを考えたら、次は園の教育方針とご家庭の教育方針が合うかどうかを話し合いましょう。自由と規律の配分など、園と家庭でのしつけなどに違いがあると、お子さんは混乱してしまいます。
あくまでも家庭があっての幼稚園ですので、教育は園任せと考えてはいけません。しっかり知識のある幼稚園教諭に、家庭でできない部分を補ってもらうというスタンスを持ちましょう。そう念頭においておくことで、教育方針についての軸がはっきりし、幼稚園選びがしやすくなります。
③家庭環境に無理は無いか
例えば、距離的な面で支障が出ないか考えてみましょう。自宅と職場からのアクセスのしやすさも大切です。何かあったときにすぐ迎えに行けるか、毎日の送り迎えに影響は無いか、などです。
園バスを利用する場合、停留所があらかじめ決まっているのであれば、そこまでの距離も確認しておきましょう。下の子がまだ幼く送り迎えが出来ないなど、家庭の状況も把握した上で決定しましょう。
親子にとって最適な幼稚園選びを
ここまで、公立と私立幼稚園の主な違いや特徴について、ご紹介しました。あくまでも一般的な特徴ですので、通わせたいと思っている幼稚園がある場合は、しっかり教育方針や園の環境などをチェックしましょう。
子供にとってより良い教育を受けさせてあげたいと思うのが親心ですよね。その「教育」という言葉をどのように受け取るかによって、それぞれのご家庭での教育方針は変わってきます。
のびのび教育の園にしたいか、しっかり勉強する園にしたいか、どちらでもポイントを踏まえて親子にとって納得できる幼稚園を選び、親子で一緒に楽しい幼稚園生ライフを過ごしましょう!
様々な経験から多くのことを学ぶ幼児期。お子さんにはどのように成長してもらいたいか、どんなことがお子さんにとって嬉しいことなのかを、再確認できるきっかけになれば幸いです。